2003年12月19日(金)
「ひいおじいちゃんの鎌倉」
鎌倉生涯学習センター集合

鎌倉市立図書館の「近代史資料収集室」では、だいたい明治時代以降の鎌倉の歴史を調査、編集しています。そこには、鎌倉の昔の姿を伝える貴重な写真や資料がたくさんあります。今回のプログラムの目的は、それらを使って、子ども達と一緒に「ひいおじいちゃんが生きた時代の鎌倉を散策する」というもの。案内役は、近代史資料室の平田恵美先生にお願いしました。
例えば鎌倉駅。明治22年、駅ができた頃は、西口側には何も建物がありませんでした。しかし東口側は、すでに観光地として栄えていたことが、当時の風俗画からわかります。大正時代には、駅前にオシャレなカフェもあり、かなりハイカラな街だったようです。大正11年の関東大震災で、駅舎は奇跡的に倒壊を免れたものの、鎌倉市街は壊滅的な被害を受けました。死者は400名。若宮大路の火災の様子、校舎が壊れたので青空教室で授業を行う小学生の写真も残っています。
皆がよく知っている二の鳥居。震災後の昭和5年の写真と、今の風景とを比べてみました。段葛の両脇には松林があり、今のように店が並んでいないこと。それから鳥居の前の台座に狛犬が座っていないことに気付いた子もいました。「実は狛犬が来たのは昭和36年なんです」と平田先生。
震災で大打撃を受けたけれど、昭和の戦禍は免れた鎌倉。若宮大路沿いには、昭和初期の建築をそのまま現在も使っている商店があります。昭和7年築の湯浅物産館と、昭和2年築の三河屋本店を見学しました。お店のご主人から建物の歴史やお仕事の話を聞き、三河屋さんでは奥の土壁の蔵も見せていただきました。ここから表まで引かれているトロッコレールは現在も使われています。今日は特別に許可をいただいて、全員でトロッコに乗ってみました。少しの力で重いものが動かせるので皆びっくり!
最後は、鳩サブレで有名な豊島屋にお邪魔して、久保田社長から直々に昔の鎌倉のお話をうかがいました。豊島屋が現在の場所で開業したのは震災後。当時は瓦せんべいが代表商品で、その頃の看板や、手焼きせんべいの道具などを見せていただきました。「私が子どもの頃は、段葛の松林でチャンバラをしたり、吉田陶器さんの土管で遊んだりしてました。」社長はちょうど、子どもたちのおじいちゃんぐらいのお年です。
今日の感想をそれぞれ絵日記にまとめ、平田先生から修了証をいただいて、プログラムは終了。短い時間でしたが、普段触れることのない鎌倉の街の歴史をのぞき見ることができ、またいろんな地元の方のお話を直接うかがえて、参加した子どもたちにはたいへん有意義な体験だった思います。それぞれがどんなことを感じ取ったかは、感想文をご覧下さい。(最後にご馳走になった鳩サブレがおいしすぎて、絵日記は鳩の絵だらけになってしまいました!)

↑ 歴史散歩マップを手に、平田先生のお話を聴く。 ↑ 明治時代の鎌倉駅舎と、駅前を描いた風俗画
↑ 二の鳥居。昔は狛犬がいなかったんだって。 ↑ 湯浅物産館は昭和初期の看板建築。
↑ 湯浅さんに、建物やご商売の話を聞きました。 ↑ 酒屋さんの三河屋も市の重要景観建築物です。
↑ 三河屋の蔵で特別にトロッコ体験! ↑ 豊島屋社長には昭和の鎌倉の話を聞きました。
 ↑ 手焼き煎餅を作る昔の道具だそうです。 ↑ 昔の鎌倉の風景を描いたチョコ(豊島屋製)
↑ 絵きれいだけど、おいしそうだよね。
↑ 最後に、平田先生から修了証が渡されました。


集合場所
鎌倉駅前 鎌倉生涯学習センターロビー
時 間
13:30集合 解散16:15(豊島屋ギャラリーにて)
持ち物
・ 筆記用具
内 容
 13:30 オリエンテーション 今日のプログラムの説明、講師の先生の紹介、自己紹介
 13:45 カマクラ薬局前へ移動
 14:30 湯浅物産館訪問
 14:45 三河屋訪問
 15:15 豊島屋2Fギャラリーにて、豊島屋社長のお話を聞く
 15:45 感想文を書く
 16:15 解散

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地元の新聞に掲載されました


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