2003年6月24日
広町緑地 ほたる観察
鎌倉市広町緑地


「ほたるを見に行こう!」梅雨も半ばの6月24日、広町緑地にほたるを見に行くことを決めました。どうかこの日、たくさんのほたるに出会えますように。
広町緑地は鎌倉市に残る広大な緑地で、あまり人の手が入っていません。毎年シーズンになるとたくさんのほたるが見られます。大船駅から出る湘南モノレール、西鎌倉駅から徒歩7分ほどのところから入ります。
まず準備。わかっているつもりでも、夜は道を間違えやすいもの。まして初めて行く子どもたちも多いはず。おなじみのナチュラリスト長谷川先生の指導で地元の図書館に行って広町の地図をゲット。ポイントになりそうな場所を地図上でチェックします。「ほたるの生態を調べるのも大事だよ。生活している場所を知ってれば、出会える確立もたかくなるからね」先生の言葉に、なるほど納得。昆虫図鑑を開きます。「かわにな」というきれいな小川に生息するタニシの一種の幼虫を餌にするほたるは、昼間は餌の近くの川のそばの葉っぱの裏に生息。夜になると強く光るオスはメスを求めて、飛びます。メスは葉っぱの上にいて、弱く光ります。この時期広町緑地で見られる源氏ぼたるは、平家ぼたるより大きく、長く連続してひかり、少し消えて、また光ります。光り方が大きくて美しいので人気のあるほたるです。 広町緑地では7月近くなると平家ボタルも見えます。少し弱めの光で、あまり飛ばずに水の上に張り出した葉っぱの上で光るので見つけやすいのです。一ヶ所で源氏も平家も見られるのは非常にめづらしい。
さあ、昼間の下見です。地図を片手に歩きます。ここは危なそうだから小さいこの手を引こう。夜は暗くて地図を見られないので大体の道順と地形を頭の中に入れておきます。小川のこの辺にいるかな?石をひっくり返しカワニナ発見。黒と赤のほたるの体を探し、近くの茂みの葉を裏返します。昼間のほたるは見つからなかったけど、夜はきっとこの近くに出てくる。確かな手ごたえを持って、下見終了。
いよいよ最終準備。近所に住む友人にほたるの飛び具合を確かめます。雨の降りそうな6時半〜8時が一番飛んでいるという情報。源氏ぼたるは平家ぼたるより出てくる季節が早いだけではなく、飛び始めの時間も終わりも早いのです。夜の外出だから、懐中電灯を用意します。足元を照らすためですが、ずっと明るくしているとほたるは出てくれません。最低限の明かりにして、現場でもできるだけつけないように気をつけます。子ども連れだから雨が降ったときの簡単な雨合羽とタオル、できたら着替えぐらいあったほうが便利。
午後7時、観察に出発!小雨が降る広町緑地に入ります。ヒゲさんを先頭に子ども、大人、子ども、大人の順。空は薄ぼんやり街明かりで明るいのだけど、足元はだいぶ暗くなりました。自然をいためないように気をつけて、転びそうなところには、先を歩く大人が立ち止まって懐中電灯で足元を照らしながら手を貸します。下見はしたけど、やはり夜は方向が狂うもの。それでも川の上にこんもりとドームのように暗い茂みを発見。のぞくと、ふわりと浮かぶ光。青白いもの、オレンジ色に近いものが、いくつも思い思いの方向に飛び、上へ上へ行ったかと思うと、急降下したり、途中で消えたり。子どもがおずおずと差し出す手の上に、ふわりと降ってきた光も。光が「舞」います。葉の上には弱い光の雌も見えます。わずか数10分の幻想的な舞台に、子どもと一緒にうっとりと、歓声を上げながら眺めてしまいました。


 ↑ 図書館で見つけたほたるに関する本。予習します。  ↑ 下見。この辺ならほたるがいそうかな?
 ↑ 探検隊、出発。(でもちょっと眠い・・・)  ↑ ほたる。暗がりで写真を撮るのが大変なので、これが精一杯。
 ↑ 手の中に止まったほたるを描きました。(5年)  ↑ ほたるの飛ぶ幻想的な風景。(5年)
木の近くで飛ぶほたる。(2年)


準備
地図を調べる。ほたるの生態を本で調べる。
下見
昼間のうちに現地下見。
ほたるのいそうな場所(カワニナのいるところ)に当たりをつける。
集合場所
広町緑地 地図はこちら
時 間
7時集合 解散8時30分
持ち物
・地図 ・懐中電灯 ・雨かっぱ ・タオル ・着替え(必要なら)
内 容
7:00 集合
7:05 ほたるの生態に説明を聞く。
7:15 緑地に入る。
7:25 ほたるのいる小川に到着。
8:30 ふり返り・終了 


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