2007年現在、鎌倉市内で出産できる病院は一軒のみ。しかし産院不足は、鎌倉市に限ったことではありません。神奈川県全域でお産を扱う病院が減ってきています。結果、妊娠初期の状態で出産する病院を予約しないと「妊婦難民」になってしまうという心配すら出てきてしまいました。本来なら、妊娠がわかってからいろんな病院や助産院などを見て回り、時間をかけて自分らしいお産の方法を選びたい、というのが多くの妊婦さんの希望でしょう。産む場所、生まれる場所がゆっくり選べないなんて、ほんの3-4年前までは考えられないことでした。
なぜ、産科が減ってしまったのでしょう。まずひとつに産科医の仕事のハードさがあります。分娩は昼夜を問わず、休診日でも休みにならない。精神的に24時間365日拘束されるしんどさから、高齢化とともにお産を扱わなくなる開業医が増えています。また産科は、医療事故で訴えられる率が他の診療科よりも高く、損害賠償額も高額になるケースが多いため、「ワリにあわない仕事」と敬遠する医学生が増えてしまったようです。
厚生労働省では、健診は地域の産院・診療所で、分娩は総合病院でという「お産のセンター化」をすすめていく方針です。一方で、地域の助産院や助産師の力を見直そうという動きもあります。いずれにせよ、子育て支援策をあれこれ練る前に、「安心して産める場所」を整備してほしいという声が全国各地で高まってきています。
このページは、今の日本や神奈川県の「お産事情」をお伝えすることで、みなさんが「お産」について考えるきっかけになればと思ってつくりました。これから鎌倉で産む人も、そうでない人も、まずはこの「現状」を知っていただければと願っています。
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