通常の妊娠や出産は病気ではありません。
しかし、ひとたびトラブルが起きれば赤ちゃんやお母さんの命に関わることもあります。
神奈川県では「周産期救急医療システム」が整備されています。 地域ごとに、重症に対応する基幹病院・重症と軽症の間に対応する中核病院、および協力病院が指定され、365日・24時間の救急受け入れを行っています。
まずはかかりつけの産院に連絡しましょう。非常時は個人産院でも時間外にも診てもらえることが多いです。
その産院で対応できないと判断した場合は、医師が「周産期救急システム」を使って、できるだけ近くに受け入れ先の病院を探します。病床に空きがないなどで他の地域に依頼されることもあり、希望した病院に行かれるとは限りません。
受け入れ先が確保できたら、できる限り赤ちゃんをおなかの中にとどめたままで「母体搬送」が行われます。その際、産院の医師や看護師が救急車に同乗することもあります。これは車内での急変に備えると同時に受け入れ先の病院に患者の状態を正確に伝えるためです。
横浜地区(横浜市・藤沢市・鎌倉市)の基幹病院は、
県立こども医療センター(横浜市南区六ツ川)、
横浜市大市民総合医療センター(横浜市南区浦舟町)、
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院(横浜市旭区矢指町)の3つ。産科・新生児の専門医師が一体となり、また他の各診療部門とも連携し、妊婦と赤ちゃんの様々なトラブルに対応して高度医療を提供しています。逗子の産院を利用している場合は横須賀共済病院(横須賀市米が浜通)が基幹病院になります。
中でも、県立こども医療センターと横浜市大市民総合医療センターは母体・胎児集中治療管理室(MFICU)を含む産科病棟、および新生児特定治療管理室(NICU)を含む新生児病棟を備え、母体及び新生児搬送受け入れ態勢が整った医療施設(総合周産期母子医療センター)です。
なお、鎌倉周辺で中核病院に位置づけられているのは、
横浜労災病院(横浜市港北区小机町)、横浜市大附属病院(横浜市金沢区福浦)、藤沢市民病院(藤沢市藤沢)、横浜市立市民病院(横浜市保土ヶ谷区岡沢町)などです。これらは新生児特定治療管理室(NICU)を含む小児科があり、早産児や低出生体重児、何らかの疾患のある新生児や周産期にかかわる比較的高度な医療行為を行うことができる施設(地域周産期母子医療センター)です。横須賀市立市民病院(横須賀市長坂)、茅ヶ崎市立病院(茅ヶ崎市本村)、平塚市民病院(平塚市南原)にも新生児特定治療管理室(NICU)があり、中核病院になっています。
さらに協力病院として、
国際親善総合病院(横浜市泉区西が岡)、横浜市立みなと赤十字病院(横浜市中区新山下)、けいゆう病院(横浜市西区みなとみらい)、済生会横浜市南部病院(横浜市港南区港南台)、国立病院機構横浜医療センター(横浜市戸塚区原宿)、横浜南共済病院(横浜市金沢区六浦東)、横須賀市立うわまち病院(横須賀市上町)、平塚共済病院(平塚市追分)などがあり、救急時の搬送先医療機関となっています。
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